• カトリックの教え

建学の精神


本校は開設から約40年の歴史を刻んできたわけですが、今回は精道学園の建学の精神についてお話をしたいと思います。

カトリックの教育理念にしたがって、全人格的な成長を促し、

本当の幸せを知り、味わい、人々にその幸せを与えることのできる人間の育成

カトリックの教育理念」それは人間をどのように捉えているのかということを示しています。2つとないオリジナルな被造物である人間は、神様の似姿として創造され、神の子として生きるように招かれている存在である(創世記1章27節参照)という人間観に基づいて教育活動は行われます。人間の価値を左右するのは、ある才能や能力に恵まれているか否かではなく、神の子としてふさわしく生きるか否かにあるということで、最高の生き方は全ての人に等しく開かれていることを前提としています。

全人格的な成長」知性(知る力)と意志(望む力)を兼ね備えた自由を味わうことができる存在(それを人格といいます)である私たちは、今まで知らなかったことをどんどん吸収し、より善いことを実現したいという望みをどんどん増していくことで、より“実りのある自由”を満喫することを目指していけるのです。

その自由の中に「本当の幸せ」を見出し、それをまず自分が味わって、その次に周りの人たちにその幸せを伝えていくことができる人を育成することができれば、この社会はどんどん良くなっていくのではないでしょうか?


現代の社会では、制約をできるだけ少なくしたいという“虚しい自由”が重んじられているような気がします。自分のやりたいことを、やりたいときに、やりたいだけできできる状態を待ち望んでいるのですが、そんな状態は決してやってこないのです。仕事をしたり、家庭をもったりすることで制約はどんどん大きくなっていきますから。そうではなく、制約の中にも自分にとってそして周りの人にとってより善いことを自ら望んで愛を込めて果たす時、私たちの心は充実します。なぜならそこには愛のこもった自由な行い、つまり“実りのある自由”があるのですから。


自分自身や周りの人のより豊かな善を探し求めながら、愛を込めて勉強や仕事などの様々な出来事をこなしていくことを学んだ人、そんなプロフェッショナルな人(自立し、貢献できる人)を一人でも多く育成できるような学校になっていきたいと思います。