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令和5年度7月モットー『友情』

友情があなたを救う


厳しい競争にさらされる現代人は、成功しなければという脅迫観念に縛られ、失敗を恐れています。

社会的な成功が人生の価値なら、競争に負ければ無意味な人生になります。だから人を利用してでも成功しようとするか、失敗して傷付くより、何もしない傷付かない人生を選択してしまいます。

それは不幸です。いずれも、人生は「勝つか、負けるか」であり、世界の富は限られていて、一部の勝利者がそれを手にして、敗者は富に与れないという世界観です。

人間を勝者と敗者の二つに分断する世界観は間違っています。そんな考えに適応してはいけません。この世は善に満ちています。この善をみんなで分け合えば十分に足ります。奪いあう必要などないのです。奪おうとする心、それは貪欲であり、支配欲であり、虚栄心です。これこそ戦うべき相手です。

人間の豊かさは、「何を持つか」や「何が出来るか」ではなく、「何を目指すか」で決まります。

つまり、生き方そのもので幸せが決まります。

「持つより与える方が幸い」であり、「仕えられるより、仕える方が幸い」なのです。

仕えるとは、エゴ(自己愛)を否定することであり、「友のためにいのちを捧げる」という神に従う精神を指しています。

自分が傷ついても誰かのために役立ちたい、自分を犠牲にしても守りたい人がいる、こんな生き方が豊かな人生を創ります。

このような心を「愛」と呼んでいます。友情も含まれます。人生の価値は勝つことではなく、人々と連帯すること、助け合うこと、補い合うこと、ゆるし合うことです。

そんな友がいること自体が幸せなのです。

「友情は人生の贈り物であり、神からの恵みです」(フランシスコ教皇)。

ケニヤのキクユ族の諺で締めくくります。

「山頂に友がいれば、登ることが易しくなる。」