- カトリックの教え
11月『秩序』
大きな石を置く!
社会で生きていくためには、小さな決め事をたくさん守らなくてはいけません。それをしなければ何事も実現しません。しかし、それに追われて肝心の仕事自体が疎かになれば、本末転倒、仕事の実りは生まれません。確かに「決め事」を忠実に行えば、人生で大きな失敗はしないかもしれません。でも、失敗しないことが人生の目標でしょうか?そんなはずはありません。自分は何をしようとしているのですか?目的は何ですか?それこそが一大事です。
面白い実験があります。空っぽの容器に石を入れる実験です。大きな石、小石、砂利、砂があります。まず大きな石を入れます。まだ隙間があります。そこへ小石を入れます。まだ隙間があります。そこへ砂利を入れ、最後に砂を入れます。すると場所を無駄なく埋めて、容器はいっぱいに詰まります。しかも、大中小と揃い秩序があります。その逆をすると、どうなりますか?最初の砂でいっぱいになり、大きな石は入れたくても入りません。忙しいけど無秩序な状態です。
この容器は人生を表しています。目的をしっかり見つめないまま、日々を忙しく過ごすと、いつの間にか「やらされている」作業、つまり砂でいっぱいです。肝心の大きな石が入る場所がありません。砂のように思える雑用でも、それは大きな仕事と繋がっています。人々に役に立つため、奉仕するための仕事です。大きな石と砂がしっかり繋がっているのです。心に志という大きな石がなければ、「砂を噛むような」ただの雑用に思えるでしょう。