• カトリックの教え

10月『誠実』

 先の読めない時代VUCA【Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字】といわれる現在、これまで正解がある程度見えていた中で、頑張ってきた人たちにも様々な場面で、多くの不安を抱くようになったと思います。
しかし、困難はいつの時代にもあるなかで克服し、更なる価値を生み出しています。では、先の読めない時代に私たちはどのようなものを身につければいいのか。その一つとしてあるのが「誠実」ではないでしょうか。

 ある面白い研究で、世界で勝ち続けているコーチや指導者の口癖は「I don’t know」「I can’t do it」だそうです。優れたリーダーは全てを理解している者だと思われがちですが、実は「知らない」「できない」と言えるリーダーのほうが結果を出している。
なぜかというと信頼と深く関わっているからそうです。普段から背伸びせずに「分からない」と言っていると、部下も「この人は自分が分からないことを正直に言える人だ。だから、自信を持って言うときには本気で信じているときだ」と認識するからそうです。

 誠実であることは、言い方を変えれば「正直」であることだと思います。
客観的に自分を見つめ、欠点や弱さを認める又は正直に伝えることではないでしょうか。本来の自分らしさを見出すことができると思います。そこに、先を読めない時代のヒントが隠れているのではないでしょうか。