• カトリックの教え

9月『責任感』

 今年は新型コロナの影響で振り回される日が続いています。国や自治体も様々な指針を決定するに当たって、その責任の重さから担当者の心労は如何ばかりかと思います。そういった責任が重い仕事にが価値があると思え、自分たちのやっていることにどれほどの価値があるのかなと感じる場合があるかも知れません。
 聖ホセマリアは仕事の聖化を説明する中で、神様から見た人間の行いの価値は、どれだけ愛を込めてその仕事を行ったかによると教えています。神は仕事の価値をそれを実行する人の責任感の度合いで測られるとも言えるでしょう。

 『石ころ』という山本周五郎の短編があります。これは何度も戦に出陣しているにも関わらず、一つも華々しい成果を上げることなく平凡な石ころばかり拾い集めてくる男の話です。石を集めてくる理由は、『家を建てるにも、城を築くのにも、こういう石は無くてはならないのだ、(中略)人の目にはつかないがこういう石が隅々にじっと頑張っている。決して有る甲斐がないというようなものではないんだよ』『おれはこの素朴さに学びたいと思うよ』と妻に説明しています。大きな価値を認められなくても、人々がそれぞれの責任を果たすことで社会が成り立っており、そこに大きな価値を認めることができるということでしょう。これには先ほどの聖ホセマリアの教えに通じるものがあると思います。

 今月のモットーは責任感です。毎日の自分にまかされた仕事(勉強、係、手伝い、頼まれごとなど)を責任感を持って丁寧に実行して行くことが、私たちの周りを回していくことになると思います。