- カトリックの教え
令和3年度10月『誠実』
2009年に日本で上映された「グラン・トリノ」という映画をご存知でしょうか。
主人公であるコワルスキーは80歳ぐらいのおじいちゃんで、気難しく、間違ったことは許せない厳しい性格の持ち主です。
この映画のある場面がとても印象に残りました。
それは、コワルスキーがずっと避けていた告解の秘跡を受けに行く、という場面です。
告解の秘跡とは、自分が犯した罪を認め、神父にそれを告白し、その罪を許していただくという秘跡です。
コワルスキーは、今まで言うことが出来なかった罪を若い神父に包み隠さず告白しました。
間違ったことに厳しい性格のコワルスキーにとって、自分の罪を認め、許しを願うことはどれほどの勇気が必要だったのでしょうか。
コワルスキーが罪を言い終えたあたりで、その神父は尋ねます。
「それだけですか?」。
その言葉に対して、コワルスキーは驚き、そして言いました。
「それだけだって?ずっと気にしていたのに!」。
コワルスキーにとっては相手を驚かせるほどの恥ずかしい罪だと感じていましたが、全ての罪を許してくれる寛大な神様の前ではそれらの罪はちっぽけなことだったのです。
コワルスキーは、ずっと気にしていた悩みが一気になくなり、喜びでいっぱいになったようでした。
学校生活では、楽しいこともあれば悩むこともあります。
楽しいことがあれば思いっきり楽しんでください。
悩むことがあれば信頼できる人に包み隠さずすべてを相談してみてください。
自分が考えているよりも小さなことだったと気づいて前進できるでしょう。