- カトリックの教え
令和5年度3月モットー『感謝』
「おかげさま」で「神に感謝」
カトリックのミサ典礼で「大地の恵み、労働の実り。命の糧となるものです」と唱えてパンとぶどう酒を奉納します。
私たちは自然の恵みと人々の労働によって生かされています。それを感謝して神に捧げるのです。
日本人は古来より自然の恵みに感謝して食前に「いただきます」と唱えてきました。動物や植物の生きている命を頂戴するからです。食後には「ごちそうさま」と感謝を捧げます。漢字で「御馳走様」と書きます。料理に使う食材をあちこち走りまわって集めて来るという意味です。人々が食事のために働いてくれたことに感謝しているのです。ちゃんと自然と人に日々感謝してきました。生活の中では「おかげさま」と表現してきました。「おひさま」だけではないのです。太陽の光と熱は人間の命の根源ですから「お日様」に感謝するのは当たり前、「お天道様」、人の生きる道そのものですから。命を支えるのは太陽だけではありません。「陽」に対して「陰」もあります。
人はお天道様の庇護の陰に守られているとも言えます。役に立っていないように見えても、目立たず陰で人を支えています。それを意識して「おかげさま」の心が生まれるのです。日本人には「おかげさま」の精神が宿っていましたが、現代人は失いつつあります。自然の恵みに感謝しないので、平気で自然を壊して利益を追求してしまいます。環境破壊の根本は「おかげさま」精神を忘れた結果です。真心を込めて「おかげさま」を使っていましょう。