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「○○のせい」にするのをやめましょう!
WBC決勝の試合前に大谷選手が言った言葉が注目されました。
「憧れるのは、やめましょう。憧れると勝てませんから」。
同じように「何かのせいにするのを、今日からやめましょう。成長しませんから」。
経営の神様と言われた松下幸之助は経営成功の理由を問われて、次の三つを挙げました。
①家が貧しかったこと。
②学歴がなかったこと。
③体が病弱だったこと。
多くの人にとって、これらは自分が不幸になった理由です。
「○○のせいで」と言います。ところが、彼には「○○のおかげ」と考えたのです。「貧乏だったので、物を大切にすることを学んだ」「学歴がなかったから、何でも人に尋ねた」「病気がちだったので、人に仕事を任せた」のです。人にはマイナスに見えるものをプラスとして受けとめたのです。これが「心の世界」です。「心の世界」を見れば、人々は別の世界に生きています。悲観的な世界と前向きな世界。状況が良いから前向きになるのではなく、心が前向きだから、世界が肯定的に見えるのです。逆に「役に立たない」「不幸だ」と思うから、実際に役に立たず無駄になり、不幸になります。つまらないと思っても、「無駄なものは何もない」「役立たせよう」と考えるなら、将来、本当に役立つのです。このように「心の世界」が未来を創っているのです。
物理的世界は同じでも、どんな世界を生きるかを決めるのは自分自身です。未来を創るのも自分の心です。
心の世界を大きく分けると「光の世界」と「グレーの世界」でしょうか。天気に例えれば「晴こころ」「くもり心」または「雨心」でしょう。今の客観的な状況をどう捉えるかは、心の在り方の問題です。曇った心を「晴こころ」に変える必要があります。
曇る原因は、様々な出来事、誰かの言葉や態度だと勘違いしています。だから、心が晴れるためには「相手や社会を変えなければならない」と考えがちです。でも、そんなことは無理ですから諦めてしまい、いつも不機嫌、やる気がない、自己否定などに陥りがちです。これでは、自分の人生が外の世界から支配されている状態です。真実は、心が歴史を創って来たのです。外の世界が心を創るのではありません。未来は、私たちの心が創り出すのです。人間はモノに支配されていません。心の世界という真実が新たな世界を創っていきます。今日から「○○のせい」にするのをやめましょう!■
*2023/12/15 高一説教(文責:小寺神父)