- カトリックの教え
令和7年度4月モットー『礼儀』

数年前ある友人が、東京でスペイン人の家族の観光案内をしました。
一日が終わり、ホテルのロビーで別れる際、その友人はその一家のお母さんに接吻されました。
友人は日本人でしたので、何が起きたか分らず動転してしまいました。それを見た娘さんは、お母さんを叱って言いました。「お母さん、何しているの?!日本人にはそういうことはしないのよ!」
しかしお母さんは言いました。「この人は一日中私たちの観光に付き添ってくれました。私はとても感謝しています。そして私はスペイン人です。ですからこのように接吻して、感謝の気持ちを表さないわけにはいかないのです」。
その友人が気の動転を鎮めるには、その後数日要しました。しかし日本人への礼儀を尊重しなかったあのお母さんに対する怒りや嫌悪感は生じませんでした。今ではこの出来事は彼の記憶に心温まる思い出として残っています。