• カトリックの教え

令和3年度5月『敬愛』

 毎年復活祭の日に述べられるメッセージの中で教皇は、その時その時の世界で支援を必要としている人たちのことを特に取り上げて、心にとめるよう全世界の人々に訴えられます。フランシスコ教皇は、今年のメッセージで、コロナのために戦っている人々、その影響で苦しんでいる人々。ワクチン分配の不公平性の是正。ミャンマーの人々。シリアの紛争、リビア、アフリカのサヘル、ナイジェリア、エティオピア、モザンビーク、そしてウクライナ東部の人々のこと等に触れられました。これらの中には、なかなかマスコミにも取り上げられない地域もあり、私たちがその存在すら知らない問題もあります。こうやって呼びかけてもらうことで、会ったことのない人々ではあっても、少なくとも祈りで支えることはできそうです。一方、助けを必要としている人は、私たちの目の前にもいます。コロナによって生活が急変した人、バスの中で座席がない高齢者、周りから丁寧に扱われない人など。実は私たち自身も人からの支援がなにかしら必要なのではないでしょうか。今月のモットーは敬愛です。この気持ちがあれば、お互いの自尊心を傷つけずに支援ができると思います。教皇様は別の機会に、私たちがお互いに福音書に出てくる、「良きサマリア人」のように、敵味方なく隣人の世話を焼き合うことの必要性を訴えておられます。私たちと私たちの周りで支援をし合えたら、社会はもっとよくなっていくと考えておられます。