• カトリックの教え

令和7年度7月モットー『友情』

2024年度上期をめどに、一万円札、五千円札、千円札の各紙幣が20年ぶりに印新されました。現在一万円紙幣の顔は誰でしょうか?そうです、渋沢栄一の話をしたいと思います。幕末から明治期にかけて活躍された資本主義の父と呼ばれ、貧しい人や、浮浪少年などの世話をする施設である「養育院」をつくったことがあります。

そこに収容される人たちを長年観察していると渋沢さんは一貫した特徴があることに気づきます。彼らの共通する特徴は、「常に自分の都合だけを考えている」ということでした。でも、自分だけよければいいと思っていると、自分すらよくならなかったのです。自分ひとりすら養っていけなくなっていたわけですから。

ここで、渋沢栄一は気づいたのです。自分が存在する意義というのは、自分のためだけにあるのではなく、社会のため、他人のためにあると。

うまくいかないのは、「わたしが、わたしが」、という余分な「我」を握りしめていたからだったのです。ここで大事なのは、自分より相手の善を優先する。つまり、「思いやり」です。自分の利益のために仲良くするのは友情ではありません。友情は、自分自身を与え、同時に相手を全面的に受け入れることです。そうすることで喜びは二倍になり、悲しみは半分になります。

さあ、身近な友達に「思いやり」を心がけて過ごしていきましょう。